会社を辞めて法人を作る前にやっておくべき「独立・起業の準備」【香川県・高松市】
こんにちは。香川県高松市の税理士、森です。
今回は、会社を辞める前にやっておくべき「独立・起業の準備」について、解説します。
「今の会社を辞めて、法人を設立して独立する」
そう決意したとき、多くの方は「退職届の提出」や「会社名の決定」といった目の前の手続きから動き始めることが多いと思いますが、「会社員のうちにしておくべき準備」があります。
ここを確認しないまま勢いで独立してしまうと、設立直後から余計な税金を支払うことになったり、手続きのやり直しで余計な費用が発生したりと、手痛い失敗を招きかねません。
【クレカ・銀行口座】独立後の経理を効率化するための準備
独立すると、避けては通れないのが日々の経理作業です。
これを設立1年目から完全に自動化し、本業に集中できる環境を作るためには、クレジットカード・口座の準備が不可欠となります。
① 個人名義のクレジットカードは会社員時代に作っておく
会社員としての社会的信用があるうちに、個人名義のカードを新調しておくことをオススメします。
独立直後は、個人名義のカードを「ビジネス専用」として割り切って使うことで、法人カードの代わりに活用することもできます。
② 法人口座は「地銀」と「ネット銀行」の使い分けを視野に入れる
実際に法人を設立した後の法人口座は、以下の2つを組み合わせて開設するのがオススメです。
・地元の地方銀行、信用金庫: 将来的な融資相談のために作っておくことをオススメします。
・ネット銀行(三井住友銀行Trunk 、GMOあおぞらネット銀行など): 手数料が安く、クラウド会計ソフトとの連携がスムーズです。
クレジットカードも銀行口座も、「最初から会計ソフトと連携させて、自動で明細を取り込む」という前提で選ぶことが大切です。
これだけで、会計処理にかかる手間を大幅に削減できます。
【インボイス・事業目的】設立前に検討しないと損をすることも
① メリットがないのにインボイス登録をしてしまう失敗
「今はインボイス制度が当たり前だから、会社設立と同時にインボイス登録しなければならない」と思われるかもしれませんが、これは誤解です。
資本金1,000万円未満の新設法人は、原則として最初の2年間は消費税の納税が免除されます。
それにもかかわらず、インボイスの登録をしてしまうと、免税事業者でいられたはずの1期目から、いきなり消費税の納税義務を背負うことになります。
・取引先が一般消費者(BtoCビジネス)の場合: インボイスを発行できなくても相手は困らないため、当初は登録せず免税事業者として手元にキャッシュを残すべきです。
・取引先が課税事業者(BtoBビジネス)の場合: インボイスを求められる可能性があるので、初年度からの登録を検討します。
最初からインボイス登録が必要かどうか、独立前に検討しておくことをオススメします。
② 定款の「事業目的」は、将来の【許認可】を見据える
定款(会社のルールブック)には、その会社が行うビジネスの内容を「事業目的」として記載します。
将来的に行う可能性があるビジネスや、「許認可」が必要なビジネス(建設業、宅建業、障害福祉サービス、介護など)を始める予定がある場合、最初から目的に入れておかなくてはなりません。
後から変更登記をするとなると、余計な登録免許税や司法書士報酬が発生してしまいますので、最初から記載しておくことが重要です。
登録免許税が半額になる「創業塾」の活用
高松市をはじめ、多くの自治体では、国から認定された「特定創業支援等事業(創業塾や個別相談窓口など)」を実施しています。
会社を辞める前、あるいは設立登記をする前に、これらの創業塾を受講して「証明書」を発行してもらうと、以下のようなメリットを受けることができます。
・株式会社の設立登記にかかる登録免許税が半額になる(通常15万円 ➔ 7.5万円に)
・合同会社の設立登記にかかる登録免許税が半額になる(通常6万円 ➔ 3万円に)
・日本政策金融公庫の創業融資で金利の引き下げが受けられる
会社員のうちにスケジュールを合わせて創業塾を受講しておくことで、数万円から数十万円のコストを抑えることができます。
まとめ:手続きをスムーズに進めるために
会社設立はゴールではなく、あくまでスタートです。
設立してから「インボイス登録のせいで消費税の負担が重い」「カードが作れない」「事業目的の文言が足りず許認可が下りない」と気づいても、手続きをやり直すには時間も費用もかかってしまいます。
もり税理士事務所では、社長の手元に一番キャッシュが残る会社の初期設定シミュレーション(資本金や役員報酬の設定、インボイス登録の要否など)から、クラウド会計を見据えた口座連携の初期設計、創業融資書類の作成支援など、起業の準備段階からのご相談も承っております。
「まだ会社を辞めていないけれど、今から準備しておきたい」
「独立に向けて、何から手を付けたらいいか聞いてみたい」
といった段階でも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。