クラウド化にどう対応するか?

2025.07.16

香川県高松市の税理士、森です。

今回は「クラウド型の会計ソフトに会計事務所がどう対応していくか?」について、考えていきたいと思います。


クラウド型の会計ソフトとは?


クラウド型の会計ソフトとは、インターネットブラウザで使用できる会計ソフト
です。

ネット環境さえあればどこからでもどの端末からでも使用できるというメリットがあります。


デスクトップ型の会計ソフトとは?


デスクトップ型の会計ソフトとは、パソコン本体にソフトをインストールして使用する会計ソフトです。

パソコン本体にインストールするので、動作が軽いというメリットがあります。


クラウド会計は使いやすいのか?


クラウド型の会計ソフトの使い勝手は、「誰が会計ソフトを使うのか」によって違ってくると思います。

会計事務所の職員や経理担当者は、日頃から大量の会計入力やチェック作業を行っているので、動作が軽いデスクトップ型の方が使いやすいと感じるのではないでしょうか。

一方、会計ソフトに慣れていない個人事業主や一人社長などにとっては、簿記の知識があまり必要とされないクラウド型の方が使いやすく感じるかと思います。


当事務所におけるクラウド型とデスクトップ型の使い分け


もり税理士事務所では、次の3つのパターンに区分して会計ソフトを使い分けています。


①記帳代行の場合


記帳代行の場合は、デスクトップ型の会計ソフト(弥生会計AE)を使用しています。

毎日会計ソフトを使うので、動作が軽くて帳票も豊富なデスクトップ型が断然使いやすいからです。

デスクトップ型の弱点として、口座やクレジットカードのAPI連携をどうするか?という問題がありますが、「記帳代行支援サービス」を活用することで解決できます。

初期設定さえしてしまえば、通帳やクレジット明細を弥生会計AEに取り込めるので、業務効率化に非常に有効です。



②自計化で社長や家族従業員が記帳している場合


社長や奥さんが記帳している場合は、クラウド型の会計ソフト(弥生会計Next)をオススメしています。

口座やクレジットカードの連携などの初期設定は必要ですが、一度設定するとその後は楽です。

また、クラウドなので会計事務所側で簡単にチェック・修正ができますし、AIが学習してくれるので数か月も経てば仕訳の精度はかなり高くなります。



③自計化で事務員さんが記帳している場合


ある程度の規模の企業で事務員さんがいる場合は、デスクトップ型の会計ソフト(弥生会計AE)をオススメしています。

理由は、①の記帳代行の場合と同様、会計ソフトに慣れた事務員さんからするとデスクトップ型の方が使いやすいからです。

また、帳票類が豊富なので経営状況の把握がしやすいというメリットもあります。

ただし、ほとんどの中小企業にとってはクラウド型でも十分なのと、今後はクラウド型が主流になっていくと予想されるので、希望される方には最初から弥生会計Nextを導入していきたいと考えています。


弥生のクラウド対応


法人向けのクラウド会計ソフトについては、マネーフォワードやfreeeがリードしており、弥生は少し出遅れている感がありましたが、今年4月に「弥生会計Next」がリリースされました。

私も使用してみましたが、API連携からの仕訳登録の操作感は素晴らしいと思います。

一方で、他のクラウドソフトにも共通して言えることですが、帳票の少なさや操作感といったところで少し物足りなさを感じます。

これらの点については、今後の改良に期待です。

個人向けのクラウド会計ソフトについては、「弥生の青色申告オンライン」が現状トップシェアです。

ただ、弥生の青色申告オンラインはリリースから10年以上経過しており、UI/UXデザインが少し古い印象を受けます。

この点については、個人向けのクラウド会計ソフトもNextシリーズに統一されると思うので、今後の展開に期待です。


弥生給与のデスクトップ版はサポート終了


今年の5月に弥生給与デスクトップ版のサポート終了が発表されました。

今後は、後継の弥生給与Nextに移行されることになります。

給与計算ソフトは勤怠管理が絡むのでクラウドとの相性が良く、競合他社もクラウドが主流となっていることから、弥生もクラウド一本で行く決断をしたものと思われます。

一方、会計ソフトについては、市場全体の流れはクラウド化の方向にあるものの、デスクトップ型を残して欲しいという会計業界の声もありますので、当分の間は弥生会計AEと弥生会計Nextを並走させるのではないかと予想しています。


「自計化」という考え方が無くなるかも?


将来的には、API連携やキャッシュレス決済の更なる普及によって、記帳代行や自計化といった契約上の区分が無くなるのではないかと思っています。

現時点においても「決済はほぼクレカで口座はネットバンキング、売上はPOSレジで管理」というケースだと、API連携だけで記帳の8割方が終わったも同然です。

あとは、「現金決済のレシートを誰が入力するのか」という問題が残りますが、あまり重要な問題ではありません。

キャッシュレス決済の普及で今以上に現金レシートの枚数は少なくなるでしょうし、スキャンの精度も向上していますので、スキャナーを導入するという手もあります。

こうなると、最初に連携設定をしっかりやれば、会計事務所の仕事は仕訳チェックと決算処理(+レシートスキャン)だけになるので、顧問先ごとに記帳代行と自計化を契約上区別する必要性がほとんど無くなってしまうように思います。

 

今後の対応


今後もクラウド化の流れは拡大していくと考えられますので、クラウド会計ソフトへの対応は会計事務所にとって避けられない問題になると思います。

新しいシステムは便利ではありますが、組織規模に比例して導入するのが難しくなるという側面もあります。

当事務所のような個人事務所でも対応に悩まされているので、大きな事務所はこれからの対応がかなり大変になるのではないでしょうか。

今後の動きに注意しながら、取り残されないように引き続き勉強していく必要がありそうです。

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