法人成りのメリットとデメリット(その②)
前回は、法人成りで得られるメリットについてご紹介しました。
今回は、デメリットについて取り上げます。
法人成りのデメリット
法人成りの主なデメリットには、次のようなことが挙げられます。
① 会社設立時に費用がかかる
会社の設立時にかかる費用は、大きく分けて「法定費用」と「司法書士報酬」の2つがあります。
株式会社の場合の法定費用は約20万、合同会社の場合は約6万円です。
これに司法書士報酬8~10万円を足した額が設立時に必要となります。
最近は無料で会社設立をサポートしているサービスもあります。事務処理に自信がある方なら、無料サービスを利用して自分でやってみるのもいいかもしれません。自分で設立する場合は、司法書士報酬が不要になりますので、その分節約になります。
とは言っても、司法書士などの専門家に依頼するのが確実です。手続きが面倒な方や失敗するリスクが気になる方は、初めから専門家に依頼することをお勧めします。
② 法人は住民税均等割額の負担が大きい
個人事業の住民税均等割額は5,000円程度で済みますが、法人の住民税均等割額は最低でも毎年7~8万円かかります。
法人住民税の均等割額は、たとえ赤字であっても負担しなければならない税金であり、法人成りのデメリットであるといえます。
③ 社会保険の強制適用事業所になる
個人事業の場合は、従業員数が常時5人以上いるなど一定の要件を満たすと社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務が生じます。
これに対して、法人の場合は従業員数に関係なく社会保険に加入しなければならないルールとなっています。
社会保険に加入すると、従業員の社会保険料のうち半分を会社が負担することになるので、お金の面ではデメリットとなります。
ただし、社会保険に加入することで求人が有利になることもあります。最近の人手不足を踏まえると、求人面で有利になるということは考慮しておく必要がありそうです。
④ 税理士報酬が個人事業と比べて高い
法人の税理士報酬は、個人事業と比べて高くなる傾向があります。
税理士事務所によっても異なりますが、年間10万~20万円くらいは負担が増えると考えておいた方がよいでしょう。
決して小さい金額ではないので、法人成りを検討する際は税理士報酬の負担も考える必要があります。
法人成りを検討すべきケース
以下のケースに当てはまる場合は、法人成りで得られるメリットがデメリットを上回る可能性があります。
複数当てはまるような場合は、法人成りを検討してみてもよいでしょう。
① ある程度の黒字が出ている
法人税と所得税の税率の差により、法人税の節税になることがあります。
② 法人特有の節税対策ができる
出張日当や役員社宅などの法人特有の節税対策を行うことで、法人税の節税になることがあります。
③ 家族従業員に給与を払っている
配偶者控除や扶養控除などの所得控除が適用できるようになり、所得税の節税になることがあります。
④ インボイス登録の必要がない
事業内容が消費者向けのビジネスなどでインボイス登録の必要がない場合は、2年間消費税の免税事業者になれるため、消費税の節税になります。
⑤ 扶養親族が多い
家族を社会保険の扶養に入れることで、社会保険料の負担が軽くなることがあります。
⑥ 事業を拡大していきたい
資金調達、取引先に対する信用や求人の面などで有利になることがあります。
もり税理士事務所では、法人税、所得税、消費税、社会保険、税理士報酬の5つの観点から法人成りすべきかをシミュレーションしています。
シミュレーションの結果、メリットがデメリットを上回ると判断できた場合に法人成りの提案を行っています。
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